PROGRAMS 上映作品
ベルリン国際映画祭のジェネレーション部門 (4歳以上対象)で上映された映画など、子どもが主人公の映画を世界中から集めて上映します。
「子どもスタッフ」が司会進行や運営を行い、「子ども審査員」がグランプリを決定します。
海外作品は生吹き替えで上映!短編プログラムで吹き替えを行うのは公募で集まったメンバー。プロから発声やセリフ回しを学ぶワークショップを経て、当日「生」で吹き替えを披露します。
長編
『トーテム』Totem
Sander Burger
2022年 | オランダ・ルクセンブルク・ドイツ | 1 時間30分
ニューヨーク国際子ども映画祭 実写長編部門 グランプリ(2023)
オランダに住む水泳が好きな11歳のアマ。家に帰ろうとしていたところ、セネガルからの不法移民であるという理由で家族がつかまってしまう。一人になったアマは友人や聖霊の力を借りて逃げながら父を探す。
セネガルからの移民家族である一方で、心はオランダ人という、世界で多くの人が抱えているだろうアイデンティティの葛藤に、丁寧に向き合った作品。
推奨年齢:小学1 年生~
※劇団とっても便利による、ボイスオーバー(生吹替)で上映します。
上映日: 8月4日(金)11:00~ / 8月5日(土)15:40~
長編
『海の輝き』Zeevonk / Sea Sparkle
Domien Huyghe
2023年 | ベルギー・オランダ | 1 時間38分
ベルリン国際映画祭 ジェネレーションKplus部門 子ども審査員 特別賞 (2023)
漁師の父を海の事故で亡くした少女レナは、父を見送った海上で巨大な生物の影を見つける。海に詳しい男の子の力を借りて、周りの心配をよそに巨大な生物の影を追う。
夕日と街灯に照らされる海辺の町で、突然の喪失と向き合う少女と家族。巨大な影を落とす作品でありながら、少女を支える友人の心温かさや家族の正直な言葉が心強く、最後には輝きが残るような作品です。
推奨年齢:小学4年生~
※劇団とっても便利による、ボイスオーバー(生吹替)で上映します。
上映日: 8月4日(金)15:30~ / 8月6日(日)13:30~
長編
『ワイルドツアー』Wild Tour
三宅唱
2019年 | 日本 | 1 時間7 分
山口県山口市にあるアートセンター。大学1年生の中園うめは、「山口のDNA図鑑」というワークショップにファシリテーター(進行役)として参加している。参加者は、これから、自分たちが暮らす街の様々な場所を歩きまわり、どんな植物が生えているのかを調べていく。ウメは中学3年生のタケとシュンを連れ、「新しい種」を求めて近くの森を探索することに...。
大学生と中学生という多感な時期を、ドキュメンタリーのような身近さで切り取った作品。鑑賞している間も、山の中や自分の知らない世界に踏み出したくなります。
推奨年齢:小学4年生~
▶8月5日は三宅監督ご来場予定です!上映終了後にゲストトーク(約30分)行います。
上映日: 8月4日(金)13:45~ / 8月5日(土)10:30~
短編
アニメ
『ホットチョコレート』
Chocolat Chaud / Hot Chocolate
Evelyne Peter
2022年 | フランス | 5分
ホットチョコレートから始まる、パプア地方の死生観についての物語。
国によってさまざまな死生観があり、それを考えるきっかけになるような作品。フレンチアニメーションらしい、流れるような筆遣いと語りで進み、フランスの家庭からパプアニューギニアの森の奥へ連れていかれるような気分を味わえます。
推奨年齢:5歳~
※映画吹替ワークショップメンバーによる、ボイスオーバー(生吹替)で上映します。
上映日: 8月5日(土)13:10~ / 8月6日(日)10:30~
短編
アニメ
『ライカとニモ』Laike&Nemo
Jan Gadermann、Sebastian Gadow
2022年 | ドイツ | 15分
シュリンゲル子ども国際映画祭 短編アニメ 最優秀賞(2022)
大きな潜水服を着て学校に通い、周りにばかにされるニモ。そこに宇宙服を着たライカがやってくる。
周りから笑われてばかにされても、それでも好きと言えるものがある二人の友情を、ストップモーションで動く緻密な表情と雄大な自然の景色で包み込む優しい作品。今ある友情を大事に。そしてきっとわかってくれる人が現れると思わせてくれる希望の映画。
推奨年齢:5歳~
上映日: 8月5日(土)13:10~ / 8月6日(日)10:30~
短編
アニメ
『氷を売る親子』Ice Merchants
João Gonzalez
2022年 | ポルトガル・フランス・英国 | 14分
アカデミー賞 短編アニメーション部門ノミネート(2023)
断崖絶壁で氷を作り、パラシュートでふもとの村に氷を売りに行く親子。
セリフのない淡々としたストーリーと優しい絵柄は、不思議な絵本を見ているような感覚。言葉にするのは難しいけれど記憶に残る作品です。
推奨年齢:5歳~
上映日: 8月5日(土)13:10~ / 8月6日(日)10:30~
短編
アニメ
『カナリア』Canary
Benoit Therriault、Pierre-Hugues Dallaire
2022年 | カナダ | 12分
ニューヨーク国際子ども映画祭ノミネート(2023)
1922年、少年ソニーは大人の炭鉱夫たちとメタンガスを検知するカナリアと、地下炭坑で働いていた。ソニーはカナリアに死んだふりを覚えさせ、仕事を終わらせてカナリアとお日様の下で遊んでいた。しかし本当にメタンガスが発生し…
子どもが大人に混じって危険な場所で働いているという社会背景を感じさせずに、ソニーとカナリアの純真と陽気さが伝わってくる。大人たちも決して悪い人間ではないのだけど、それでも優しく純粋なオオカミ少年を見ているような作品。
推奨年齢:5歳~
上映日: 8月5日(土)13:10~ / 8月6日(日)10:30~
短編
実写
『マーゴットの妹』
La soeur de Margot / Margot’s Sister
Christine Doyon
2022年 | カナダ | 17分
シカゴ国際子供映画祭(2022)
知的障がいのある妹が放課後学校に通うことになり、姉のマーゴットはなんとか妹と距離を置こうとするのだが…
家族だけどうまくコミュニケーションが取れない。家族だからこそ感じる微妙な距離を、周囲の環境に振り回されたり気付かされたりしながら辿り着くラストシーンは2人にとってのスタートライン。姉妹でわかり合おうと思えるような作品。
推奨年齢:小学1年生~
※映画吹替ワークショップメンバーによる、ボイスオーバー(生吹替)で上映します。
上映日: 8月5日(土)13:10~ / 8月6日(日)10:30~
短編
実写
『勇気を出せ!』
Haut les coeurs / The Right Words
Adrian Moyse Dullin
2021年 | フランス | 15分
カンヌ国際映画祭短編部門出品作品(2021)
SNSに夢中な15歳の少女ケンザは通学中のバスの中で弟マーディをからかい、ある騒動に発展する。
SNS時代を生きる子どもたちへ、愛の国フランスからの恋愛指南。周りにからかわれながらも、自分の気持ちを言葉にして、好きな人に気持ちを伝えるまでのわちゃわちゃした空気。告白シーンのうまさは、映像と言葉を観客が勝手に解釈する姿は、SNS的でもあり映画的でもある詩的な作品。
推奨年齢:小学4年生~
※映画吹替ワークショップメンバーによる、ボイスオーバー(生吹替)で上映します。
上映日: 8月5日(土)13:10~ / 8月6日(日)10:30~
短編
実写
『静かな目覚め』
Im Stillen erwachen / Waking Up in Silence
Mila Zhluktenko, Daniel Asadi Faezi
2023年 | ウクライナ・ドイツ | 18分
ベルリン国際映画祭 ジェネレーションKplus部門 国際審査員 特別賞 (2023)
ウクライナから避難してきた子どもたちが、避難先の旧ドイツ軍兵舎で過去の戦争の痕跡を見つける。
ドイツ語の単語当てゲームをして覚える子どもたち。道路に「プーチン、人々を殺すのを止めて」とどこまでも書き続ける子ども。キーウにいる親とビデオ通話をして、ロケットが飛んできた様子を聞く子どもたち。過去のものとなっていた戦争の痕跡が見つかる場所で、新しい戦争に巻き込まれた子どもたちを映しているけれど、それでも遊んで笑っている子どもたちがいることを画面越しに知って欲しい作品。
推奨年齢:小学1年生~
※映画吹替ワークショップメンバーによる、ボイスオーバー(生吹替)で上映します。
上映日: 8月5日(土)13:10~ / 8月6日(日)10:30~
映画の冒険に出かけよう!
三宅唱監督『ワイルドツアー』上映&トーク
第77回毎日映画コンクールで日本映画大賞、監督賞など最多5部門を受賞し、2022年を代表する1本となった『ケイコ 目を澄ませて』。生まれつき耳の聞こえないボクサーを主人公とした本作は、三宅唱監督の深い人間洞察と繊細な表現力が際立ちます。
そんな監督自身が「手応えのある大好きな一作」と語る、中学生が主人公の『ワイルドツアー』を京都国際子ども映画祭で上映します!
『ワイルドツアー』は、タイトルの通り自然を舞台に、10代の初恋の姿をリアルに描いています。
山口情報芸術センター「YCAM(ワイカム)」の研究開発チームと協働して作られました。
なぜ芸術が人生や社会に必要なのか、「なぜわざわざ映画をつくるのか」という問い直しから、この映画は作られているのですが、出演するのはなんと演技経験のない地元の中高生たち!彼らとの対話の中から作品が形作られて行ったと言います。
時に彼ら自身のナマの成長も記録されたまるで日記のような映画となっています。
他とは一味も二味も違う独特さで、記憶に残る作品となっていますので、この機にぜひお見逃しなく!!
8月5日(土)の上映終了後(11:20〜)は、三宅監督をお招きし、公開トークイベントを開催!
映画との出会い、映画作りのきっかけ、映画に対する思いなど、映画祭の子どもスタッフが子どもならではの視点で、質問を投げかける形式でお話をたくさんお伺いします。
会場に来られた皆さんからの質問も受け付けますので、ぜひご来場ください。
皆さん一緒に、映画の冒険へ出かけましょう!
DIRECTOR PROFILE
映画監督
三宅 唱
1984年北海道生まれ。一橋大学社会学部卒業。映画美学校フィクショ ンコース初等科修了。2012年、劇場公開第1作『Playback』がロカルノ国際映画祭 コンペティション部門に正式出品され、高崎映画祭新進監督グランプリ、日本映画 プロフェッショナル大賞新人監督賞を受賞。その後、音楽ドキュメンタリー『THE COCKPIT』(14)、時代劇ドラマ『密使と番人』(17)、佐藤泰志原作小説の映画化 『きみの鳥はうたえる』(18)、山口情報芸術センター[YCAM]と共同制作した『ワイ ルドツアー』(19)を監督。2022年、『ケイコ 目を澄ませて』はベルリン国際映画祭 エンカウンターズ部門に正式出品され、キネマ旬報ベスト・テン第1位日本映画作 品賞、毎日映画コンクール日本映画大賞、高崎映画祭最優秀作品賞ほかを受賞 した。その他に『無言日記』シリーズ(14-)、ビデオインスタレーション「ワールドツ アー」(18)、オリジナルドラマシリーズ『呪怨 呪いの家』(20)など。最新作は『夜明 けのすべて』(2024年2月劇場公開予定)。
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